9月最後の日

 

 

 

 

 

頑張るしか道のない人に

頑張ることしかできない人に

がんばってね

と容赦ないことばなんて、

投げかけられない

なにか、励ますことができることばを

少しでも支えることができることばを、

と思って、もう今が

きてしまった。

 

わたしにできるのは、ワインをそっと

トランクに積んでおくことぐらいだ。

 

「生きているだけで感謝。」

だけを添えて、見送った。

 

誰もいない部屋に帰って

さびしい思いが少しでも癒えることができれば、と

 

 

行ってくるね

と 少し見えた顔は歪んでいたけど、きっとそれも彼女なりの決意と覚悟なのだと思う。

三年半、終えたら、四人でハワイ行こう

なんて昨日は言っていた。

 

 

 

 

 

人間、希望があれば生きていける。希望がなんであろうと。

 

 

 

 

わたしもな。

 

 

 

 

 

 

明日から神無月。